飲食店の人手不足対策|ワンオペ・少人数営業の工程の減らし方
最終更新: 2026年8月27日
求人を出しても応募が来ない。応募があっても時給相場が上がり、以前の感覚では雇いにくい。そんな1〜3人で営業している飲食店に向けて、採用に頼らない人手不足対策を「お金のかからない順」に整理します。精神論や大型店向けの設備投資には触れません。
1. 採用で解決しにくくなっている理由
最低賃金は2025年度の改定で全国平均1,121円となり、初めて全都道府県で1,000円を超えました。引き上げ幅66円は過去最大です。実際の募集時給は最低賃金より高い水準で推移するため、都市部で飲食のアルバイトを募集する場合は1,300円前後からが相場になっています。
時給を上げれば、必ず応募が来るわけではありません。働き手の総数が減っているうえ、飲食店は夜や週末に忙しい業種です。同じ時給であれば、ほかの仕事を選ばれることもあります。「良い人を採用できれば楽になる」という考え方は間違いではありません。ただ、それを前提にすると、採用できるまでの間は消耗し続けることになります。
そこで、順番を変えます。採用できない状況でも回る営業の形を先に作り、人を採用できたらさらに楽になる、という考え方です。
2. 対策の3方向と、小さな店の優先順位
| 人を増やす | 採用・時給アップ・紹介。効果が出れば大きい一方で、費用と時間がかかり、確実性もない |
|---|---|
| 営業を縮める | 営業時間の短縮・定休日を増やす・席数を減らす。確実に負担は減るが、売上も確実に減る |
| 工程を減らす | 1人あたりが抱える仕事の数を減らす。お金のかからない工程から着手できる |
大手チェーンは、この3つを同時に進めています。配膳ロボットやセルフレジを導入し、それでも人手が足りない店舗では営業時間を縮めています。小さな店が同じ方法を取る必要はありません。まず工程を減らし、それでも足りなければ営業を縮めるのが、費用面でも現実的な順番です。営業を縮める判断は元に戻しにくいため、最後の選択肢に残します。
3. 営業の工程分解: 減らせる仕事はどれか
ホール1人が営業中に担っている仕事を分けてみると、機械や仕組みに任せられるものと、人が担う必要があるものに分かれます。
| 注文を聞きに行く | 渡せる。お客様のスマホからの注文(モバイルオーダー)や券売機に置き換えられる |
|---|---|
| 電話・予約対応 | 渡せる。ネット予約にすれば、営業中の電話対応を減らせる |
| 会計 | 一部渡せる。キャッシュレスなら1件あたりの対応時間とレジ締めの負担が縮む |
| 料理を作る | 残る。仕込みで短くはできるが、なくならない |
| 料理を運ぶ・下げる | ほぼ残る。配膳ロボットは通路幅と席数がある大箱向け |
| 片付け・洗い物 | 残る |
任せられる3つの仕事のうち、もっとも安く始めやすく、発生頻度も高いのが注文取りです。券売機は本体に数十万円かかります。一方、お客様のスマホから注文を受ける形なら、手持ちの端末とQRの印刷だけで始められ、月額も数百円〜数千円の水準からあります。
4. 注文取りをなくすと何が変わるか
呼ばれて席へ行き、注文を聞き、厨房へ戻る。この一往復を40秒とすると、ピーク2時間に30回で20分です。数字だけを見ると、大きな差には思えないかもしれません。実際には、合計時間よりも中断がなくなることが大きな効果につながります。
調理中に呼ばれると、火を弱めて手を洗い、席へ行ってから厨房に戻り、どこまで作業したか思い出すところから再開します。失うのは40秒だけではありません。ワンオペ営業がきつい理由は、作業量そのものよりも、中断が重なって段取りが崩れることにあります。注文が画面に届くようになれば、手が空いたタイミングで確認できるため、段取りの主導権を自分で持てます。
聞き間違いや書き間違いも減らせます。作り直しは材料と時間の両方を失うことであり、ワンオペでは立て直すための人手もありません。どの工程でミスが起きているかの数え方はオーダーミス対策にまとめました。
ただし、注文取りをなくしても料理が速くなるわけではなく、配膳の仕事も残ります。人件費を減らすための仕組みでもありません。ワンオペの店には、そもそも減らせる人件費がありません。効果が表れるのは同じ人数で受けられる客数と、営業後の疲れ方です。この違いは個人店の導入ガイドでも詳しく紹介しています。
5. ワンオペ・少人数営業の実務の工夫
注文以外の工程は、道具だけでは減らせません。営業の設計そのものを見直す必要があります。ワンオペを続けるための工夫を挙げます。
- 品数を絞る:品数が多いほど、仕込み・在庫・お客様が迷う時間のすべてが増えます。ピーク帯だけ提供の速い品に絞る店もあります
- 同時に頼まれると詰まる組み合わせをなくす:焼き物2品が同時に入ると回らないなら、片方を仕込みで8割まで作っておく
- カウンター中心の席配置:注文・提供・会計がカウンター越しに一歩で済み、客席全体も見渡せます
- 会計をキャッシュレスに寄せる:1件ごとの釣り銭のやり取りと、閉店後のレジ締めの負担が縮みます
- 予約と問い合わせをネットに寄せる:調理中の電話は大きな中断になります。電話に出られず機会を逃すよりも、ネット予約に誘導したほうが取りこぼしを減らせます
6. 取り組む順番
- 今日できること(0円):ピーク帯のメニューを絞る。詰まる組み合わせは、仕込みでずらす。
- 今週できること(月額数百円〜):注文取りを1卓だけお客様のスマホに任せてみる。QRを1枚印刷して置くだけなので、営業を止めずに試せます。手順はQRコード注文の始め方のとおりです。スタッフへの伝え方は導入時のスタッフ教育にまとめました。
- 効果を見てから:全卓への展開、キャッシュレス、ネット予約。注文で効果が出ていれば、同じ考え方で横に広げるだけです。
- それでも足りなければ:営業時間・席数を縮める判断、あるいは券売機や配膳ロボットのような設備投資。ここは売上と体力を天秤にかける経営判断であり、道具の話ではなくなります。
費用をかける段階になったら、月額だけでなく、決済手数料と機器代を含めた総額で比べてください。比べ方は費用の内訳にまとめています。
注文取りだけ、先に手放してみませんか
スグオーダーは月額780円(税込)/1店舗、初期費用0円。手持ちのスマホ・タブレットとQRの印刷だけで、今日の営業から試せます。14日間無料なので、ピーク帯が楽になるかを確かめてから継続を判断できます。
無料で始める先に試したい方は、実際の注文画面のデモをどうぞ(登録・インストール不要。注文はどこにも届きません)。
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