飲食店のオーダーミス対策
どこで起きるか、消せるミスと残るミス
最終更新: 2026年9月4日
注文と違う料理を出してしまった。頼まれたものが厨房に通っていなかった。忙しい日ほどまとめて起きます。原因をスタッフの集中力に置いてしまうと、対策は「気をつける」しか出てきません。ただ、注文がお客様の口から料理になって戻るまでには受け渡しが4回あって、どこで落ちているかによって打つ手はまるで違います。復唱で消えるものもあれば、伝票の置き場所を決めるだけで消えるもの、工程ごと無くさないと消えないものもあります。どこで起きているかを数える手順から、席から注文が入る形にすると何が消えて何が残るかまで書きました。
1. 注文が料理になるまでの4つの受け渡し
料理がお客様の前に出るまでに、注文は4回持ち替えられます。持ち替えるたびに、少しずつ落ちます。
| 受け渡し | ここでよく起きること |
|---|---|
| ① お客様からホールへ(聞く) | 似た名前の取り違え、「大盛りで」の聞き落とし、同じ卓の追加注文が前の注文と混ざる |
| ② ホールから伝票・端末へ(書く) | 数量の書き間違い、卓番の書き間違い、走り書きが自分でも読めない |
| ③ 伝票から厨房へ(通す) | 出し忘れてポケットに入ったまま、2枚重なって片方が通らない、口頭で言ったつもりだった |
| ④ 厨房からお客様へ(出す) | 別の卓へ運ぶ、同じ卓の中で人を取り違える、1品だけ出し忘れる |
①と②は聞いた内容が壊れる話、③は通っていない話、④は届け先が違う話です。全部まとめてオーダーミスと呼んでいるうちは、対策も的が絞れません。
打つ手が違うからです。復唱は①によく効きますが、②にはほとんど効きません。伝票の書き方をそろえるのは②と③、料理を出すときに卓番を声に出すのは④。どれも手間なので、全部やろうとすると続かない。多いところから順にやることになります。
2. どこで落ちているかを1週間数える
レジの横に紙を1枚置いて、ミスが起きたら書きます。書くのは3つだけです。
- 何を作り直したか(品名)
- ①から④のどれだったか
- 起きた時間帯
項目を増やすと続きません。1週間で十分です。
並べてみると、たいてい偏ります。ピーク帯の③に集中している店もあれば、④ばかりの店もある。偏りが見えた時点で、次に何をするかはほぼ決まります。
数えること自体にも効き目があります。めったに起きないと思っていた店で、書き出したら週に5件あったという話は珍しくありません。作り直した料理は原価が消えているのに、伝票にも売上にも残らない。数えていないと、どこにも記録が残らない出来事です。
※ 犯人探しの紙にしないでください。誰がやったかは書かない。書くと隠されて、数が集まらなくなります。
3. 1件でいくら消えているか
作り直しで消えるものを並べてみます。1,000円の料理、原価率30%、週に3件で置いた場合です。
| 消えるもの | 1件 | 週3件なら1か月(4週)で |
|---|---|---|
| 捨てた料理の原価 | 約300円 | 約3,600円 |
| 作り直しで止まる厨房の手 | 約3分 | 約36分 |
| 謝って、下げて、出し直す手間 | 約2分 | 約24分 |
※ 数字は仮に置いた値です。自分の店の原価率と、実際に作り直した品で計算し直してください。
金額で見ると月に数千円で、正直、これだけなら急ぎません。効いてくるのは金額ではなく、そのお客様がまた来るかどうかのほうです。
NEXERと覆面調査サービスのクリエイティブアルファが2026年6月に全国の男女500名へ聞いた調査では、接客が理由でもう利用しないと感じた経験のある人が52.8%でした。飲食店に限らず、小売やサービス業も含めた回答です。理由として挙がったのは「態度が横柄だった」69.3%、「無愛想だった」50.8%、「待たされた・放置された」43.6%、そして「ミスへの対応が悪かった」29.5%。
並んでいるのはミスそのものではなく、ミスへの対応のほうです。間違えたこと自体より、そのあとどうしたかを見られている、とは言えそうです。だとすると、ミスを減らす話と、起きたときの動きを決めておく話は別々に進められます。動きを決めるほうは、今日からできます。
作り直しに何分かかるかを先に把握しておくと、その場で「10分ほどお時間をいただきます」と言えます。すぐお持ちしますと言って15分待たせるより、こちらのほうが恨まれません。
4. 席から注文が入ると、どこが消えるか
お客様が自分のスマホで注文する形にすると、①②③がまとめて無くなります。聞く人がいないので聞き間違いが起きず、書き写しも通し忘れも発生しません。押された内容が、そのまま厨房の画面に出ます。
消えるのはこの3つです。④は残ります。そちらは次の節で書きます。
お客様の側が戸惑わないかは、以前ほど心配しなくてよくなってきました。ホットペッパーグルメ外食総研が2025年8月に首都圏・関西圏・東海圏の20歳から69歳、7,560人へ聞いた調査では、外食店で自分のスマホから注文した経験がある人は67.5%でした。2021年の同じ調査では26.0%です。4年で3人に2人まで来ています。
ただしこれは経験がある人の割合で、全員が好んでいるという意味ではありません。スマホを出したがらないお客様は今もいますし、その卓は今までどおり口頭で受けることになります。その話はデメリットと対策にまとめました。
もうひとつ、会計の金額違いも減ります。注文された内容から合計が出るので、レジで打ち間違えない限り、伝票と請求がずれません。レジへ打ち込む工程そのものは残るので、そこはPOSレジ連携の話になります。
5. 消えないミスと、新しく出るミス
そのまま残るもの。
- 料理を出すときの取り違え:④は手つかずです。卓番は画面に出ますが、運ぶのは人。同じ卓の中で誰の前に置くかも、今までと変わりません
- アレルギーや苦手の申し出:画面から伝わっても、確かめて判断するのは人です。ここは仕組みに預けないほうが安全だと思います
- 品切れの伝え忘れ:売切をその場で画面に反映しないと、無いものが注文されます。「終わり!」の一声と同時に切る癖がつくまでは、しばらく起きます
代わりに出てくるもの。
- お客様の押し間違い:数量を1つ多く押した、任意のオプションを選び忘れた。店側からは正しい注文にしか見えないので、出したときに言われて初めて分かります
- QR札の貼り間違い:3番テーブルに5番の札を貼ってしまうと、その卓の注文が全部よそに出ます。席替えや札の破損で入れ替えたときに起きやすい。貼り替えの手順はQRの作り方と置き方に書きました
- 入った注文に気づかない:音を切っていた、端末の充電が切れていた。紙が出てくるプリンタと違って、画面は見に行かないと分かりません。対策はキッチンプリンタなしの運用のほうにまとめています
押し間違いは、数としては多くありません。ただ店に非がないぶん、扱いが難しい。注文の内容は画面に残るので言った言わないにはなりませんが、それを見せて押し問答をしても店の得にはならない気がします。作り直すのか、そのぶん引くのか、店として先に決めておくほうが早いです。
札の貼り間違いのほうは、初日と席替えの日にしか起きません。逆に言えば、その2つの場面さえ気をつければ起きない。番号を大きく書いた札にしておくと、置いた瞬間に気づけます。
6. 手をつける順番
- 1週間数える:①から④のどこが多いか。ここを飛ばすと、効かないところに手を入れることになります
- 多い工程に、お金のかからない手を打つ:①なら復唱、②なら伝票の書式をそろえる、③なら伝票を置く場所を1か所に決める、④なら出すときに卓番を声に出す
- 起きたときの動きを決める:誰が謝りに行くか、作り直すか代金から引くか、どれくらいかかると伝えるか。決めておけばその場で迷いません
- それでも残るなら、工程ごと外す:①②③がまとめて消えるのは、注文が画面から直接入る形です。1卓だけ試して、また1週間数えれば、効いたかどうかが数字で分かります
順番を逆にすると、しんどいことになります。数えずにシステムから入れて、実は④ばかりだった店では、月額が増えただけでミスの数が変わりません。数えるのは紙1枚と1週間で済みます。
人手が足りないせいで起きている、という見立てなら人手不足対策のほうに工程の減らし方をまとめています。注文の回数が多い業態でどう効くかは居酒屋への導入が近い話です。
1卓だけ試して、もう一度数えてみませんか
スグオーダーは月額780円(税込)/1店舗、初期費用0円。席のQRから入った注文が、そのまま厨房のスマホに音とバイブで届きます。聞く、書く、通すの3工程がなくなるので、あとは1週間数え直せば効いたかどうかが分かります。14日間無料で、クレジットカードの登録も要りません。
無料で始める先に試したい方は、実際の注文画面のデモをどうぞ(登録・インストール不要。注文はどこにも届きません)。
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