飲食店のメニュー写真の撮り方
スマホで撮る順番と、注文画面での見え方
最終更新: 2026年9月9日
注文画面に商品写真を入れたい。ただ、カメラマンに頼めば品数ぶんの費用がかかるし、自分のスマホで撮ったものを載せていいのかも分からない。先に結論を書くと、席のQRから開く注文画面に載せるぶんには手持ちのスマホで足ります。雑誌に載るような写真は撮れませんが、ここで要るのは一覧に並んだときに何の料理か分かることで、そこは光の当て方と寄り方でだいたい決まります。撮る順番と、載せないほうがいい料理、それに写真を入れたあとで新しく出てくる手間まで書きました。
1. 全品は撮らない
メニュー全品を撮ろうとすると、たいてい途中で止まります。50品ある店なら、盛って、置いて、撮って、選んで、を50回。半日では終わりません。しかも季節で入れ替わる料理を苦労して撮っても、来月にはもう使えない。
撮るのは出数の多いものからです。レジの売上明細か注文履歴を開いて、よく出ている10品を書き出してください。よく出る品はそれだけ多くのお客様が画面で見ている品でもあるので、同じ1時間を使うなら、ここに写真が入るのがいちばん割に合います。
逆に、撮らなくていいものもあります。瓶ビール、ハイボール、ライス、味噌汁。名前だけで想像がつくものに写真を足しても、一覧が縦に伸びてスクロールが増えるだけです。品数の多い居酒屋だと、全品に写真を付けた一覧はかえって探しにくくなります。
ひとつ気をつけたいのが、写真のある商品とない商品が混ざったときの偏りです。同じカテゴリに並べれば、注文は写真のあるほうへ寄りがちです。これは店にとって都合がいいときと、そうでもないときがあります。原価率の高い商品にだけ写真が付いていると、出数は増えても手元に残る額は増えません。
カメラマンに頼む道も、もちろん残っています。料理10品前後の半日撮影で数万円というのがよく見る価格帯で、依頼先によって幅はありますが、仕上がりは当然そちらが上です。ただ、日替わりや季節ものまで毎回頼むわけにはいきません。看板になる定番だけプロに撮ってもらって、入れ替わるものは自分のスマホ。この分け方が現実的だと思います。
2. 窓際と、光の向き
場所は店内の窓際、時間は昼です。仕込みが一段落した11時ごろか、ランチの片付けが終わった15時ごろ。この2つ以外の時間に撮ろうとすると、光が足りないか、客席が埋まっているかのどちらかになります。
まず天井の照明を消してください。飲食店の照明は電球色が多く、そのまま撮ると料理が黄色くかぶります。窓から入る光だけのほうが素直に写ります。撮ったものが妙に黄色いときは、たいてい照明が混ざっています。
置き方は、真上から見るとこうなります。
- 光は横か、斜め後ろから:正面から当てると平らに写ります。斜め後ろから当てる半逆光にすると、タレのツヤや湯気が出て立体感がつきます
- 影が濃かったら白い紙を立てる:A4のコピー用紙でも、メニューの裏でも構いません。光と反対側に立てるだけで、暗い側が持ち上がります
- フラッシュは使わない:手前だけ白く飛んで、奥が沈みます。暗いと感じたら、フラッシュではなく窓に近づく
- 実際に出す皿と卓で撮る:撮影用に盛りを増やさないこと。理由は4章に書きました
曇りの日でも撮れます。というより、影が柔らかくなるぶん撮りやすいくらいです。避けたいのは雨の日の夕方だけで、そこは素直に別の日にしてください。
3. 一覧のサムネイルでの見え方
ここが、SNSに上げる写真といちばん違うところです。注文画面の一覧では、1枚あたりの表示はとても小さくなります。サービスによって差はありますが、商品名の横に小さな正方形が並ぶだけ、という作りも珍しくありません。その大きさだと、テーブル全体を引いて撮った写真は何が写っているのか分かりません。
皿の縁が切れてもいいので、寄ってください。丼なら具の乗ったところ、定食なら主菜。全部を入れようとするほど、小さくしたときに何も見えなくなります。
切り抜かれる前提で撮るのも大事です。表示の比率はサービスによって違い、正方形に切られることも横長に切られることもあります。主役を真ん中に置いて、周りに少し余白を残しておくと、どちらに切られても耐えます。
角度は料理によって変わります。丼や鍋のように深さのあるものは斜め45度あたりから、平たく盛るものは真上から。迷ったら両方撮って、あとで一覧に並べて選べば済みます。
それと、背景に他の卓やお客様が入らないように。営業前に撮るほうがいい理由のひとつです。
撮り終わったら、登録して自分のスマホで一覧を開いてください。撮影中に画面で見た1枚と、一覧に並んだときの見え方は別物です。ここを確かめずに全品撮ると、あとでまとめて撮り直すことになります。
4. 加工と、実物との差
いじるのは明るさとトリミングまでにしておくのが無難です。彩度を上げると赤や緑が不自然に濃くなって、料理より先に加工のほうが目に入ります。
注文画面の写真は、デリバリーのアプリに載せる写真より条件が厳しいところがあります。お客様は席で写真を見て、数分後に実物を目の前に置かれます。並べて見比べられる距離にいる、ということです。宅配で届いた料理を注文画面と見比べる人は多くありませんが、席では手元に両方あります。
法令の話も一応あります。消費者庁が2014年3月に出したメニュー・料理等の食品表示に係る景品表示法上の考え方についてでは、表示上の特定の文言だけを見るのではなく、メニューや料理の表示全体から一般消費者が受ける印象と実際との差を個別に検討する、とされています。写真も表示の一部です。「写真はイメージです」と小さく添えれば済む、という話ではありません。
とはいえ、個人店で本当に効いてくるのは行政処分より手前の話です。写真より小さいものが出てきたと感じたお客様は、その場では何も言わずに帰ります。そして次がありません。
もうひとつ、写真を入れると仕事がひとつ増えます。
盛り付けを揃える手間まで引き受けたくないなら、その料理には写真を入れないという判断でいいと思います。導入して増える仕事の全体はデメリットと対策にまとめました。
5. 効きやすい料理・要らない料理
| 丼・定食・盛り合わせ | 効きます。量と品数は、文字で書くより写真1枚のほうが早く伝わります |
|---|---|
| 店の造語や当て字の料理名 | 効きます。名前から想像できない料理ほど、写真が仕事をします |
| 外国のお客様がよく頼む品 | 効きます。訳が多少崩れても写真で選べます(インバウンド対応に詳しく書きました) |
| 揚げ物・煮込みなど茶色い料理 | 効き方は中くらい。小さい画面では沈むので、器の色か添え物で色を足してください |
| 日替わり・本日の魚 | 慎重に。写真を出すと、その日の実物との差が毎日出ます。出すなら説明文に「内容は日によって変わります」を添えること |
| コース・宴会メニュー | 慎重に。1枚では中身が伝わりません。品書きを文字で並べるほうが早いです |
| 瓶ビール・ハイボール・ソフトドリンク | 要りません。名前で分かるものに写真を足しても、一覧が長くなるだけです |
| ライス・味噌汁・追加のトッピング | 要りません。ここを撮るくらいなら、まだ写真のない主菜を撮ってください |
要らない側に入れたものは、あとから足せます。10品でうまくいってから広げれば十分です。
6. 始めるなら、10品から
- 出数の上位10品を書き出す:レジの売上明細か注文履歴を見るだけです。ここに出したい料理が入っていなければ、そちらを優先して入れ替えてください
- 営業前にまとめて撮る:1品5分として10品で1時間弱。盛って、窓際に置いて、角度を変えて10枚ほど撮る。それだけです
- その場で1枚に決めない:撮っている最中は、どれも良く見えます。あとで並べて選ぶほうが速いし、外れません
- 登録して、自分のスマホで一覧を開く:小さくして初めて分かることがあります。潰れていたら、その品だけ寄って撮り直す
- 2週間、出数を見る:手順1と同じ、レジの売上明細か注文履歴で数えます。比べるのは店全体の売上ではなく、同じカテゴリの中での順位です。写真を入れた品と、入れていない品を並べて見てください
※ 1品5分は目安です。盛り付けに手間のかかる料理や、撮り慣れないうちは、もう少しかかります。
2週間見ても順位が動かなかったら、原因は写真ではないかもしれません。品数が多すぎて探せない、カテゴリの分け方が実際の頼まれ方と合っていない、説明文が長すぎる。写真を足す前に、そちらを見直したほうが効くこともあります。メニューを画面に載せるときの組み立て方はQRコード注文の始め方に書きました。
10品だけ撮って、一覧での見え方を確かめられます
スグオーダーは月額780円(税込)/1店舗、初期費用0円。手持ちのスマホ・タブレットとQRの印刷だけで、今日の営業から使えます。14日間無料で、クレジットカードの登録も要りません。まずはよく出る10品の写真を登録して、自分のスマホで一覧を開いてみてください。
無料で始める先に試したい方は、実際の注文画面のデモをどうぞ(登録・インストール不要。注文はどこにも届きません)。
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